司役・谷山紀章と悟役・小野友樹が「pet」の魅力を徹底対談!
(後編)
※本対談は、前編と後編に分かれており、本ページにて掲載しているものは後編となります。
前編をご覧になられたい方は、アニメ系各ニュースメディアをご覧ください。
――司と悟に声をかけるとしたら?
※この質問は一部本作のネタバレを含みます※
谷山「司はヒロキがいないとダメだし、ヒロキも司がヤマ親なのでいないとダメで、司に関しては本当に切なすぎて。全ては林さんに対する愛憎から。司は真面目なんですよね、司には林さんが一番気にかけていたのはお前なんだと言ってやりたい」
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小野「悟はみんなが上手くいくためにはどうしたらいいのか突き詰めようとする、一番平和であろうとする人。悟の想いが届くべきところに届くといいなと思います」
乱丈先生は
“奇才”という言葉がぴったり
――三宅乱丈作品の魅力は?
谷山「圧倒的なオリジナリティだと思いますね。ルーツはどこなんだろうと思ったら、BL(ボーイズラブ)だったり…というお話を聞いて、驚いて。急に現れたような感じがして、本当に“奇才”という言葉がぴったり。しかも女性だと初め思っていなくて、(三宅乱丈という名前が)ミケランジェロをモジっているのはすぐわかったんだけど、衝撃でしたね。絵柄のタッチもすぐ飲み込めたし何よりすごく面白い。『秘密の新選組』とか短編集もいい」
――『pet』以外でアニメや映画、舞台など他のメディアで見たい作品は?
谷山「やっぱりメディアとして見たいのはアニメかな。『pet』の大森監督はガチガチの原作ファンだそうで僕はすごく嬉しくて。原作リスペクトがある方が作っていただくことを前提としたら、やはり『イムリ』。ラルドを演じたい! 『ぶっせん』だったら徳永をやりたい、徳永が好きなんです」
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小野「僕は先に『pet』を読んだ状態で『ぶっせん』を拝見してびっくりして、ギャグだったのは意外でしたがめちゃくちゃ面白くて。この要素を『pet』では排除して書かれているのにこのクオリティの凄さ! 先生が持っている才能の凄さ、凄まじさは底知れないと思いました」
谷山「凄いんですよ! 『イムリ』はキャストが思い浮かばないので、逆にそう来たかと驚きたい! だめだ! 俺、信者みたいになってる(笑)」
参加できていることも含めて運命
――「声優になるきっかけが谷山さん」という小野さんの谷山さんへの熱い想いは広く知られていますが…。
谷山「僕は認めてはいませんけどね(笑)」
小野「(爆笑)僕の一方的な想いではあります」
――昨日はよく眠れましたか?
小野「あ、明け方に(笑)」
谷山「(ふたりとも)念が強いってことですよね。僕が今回『pet』をずっと好きで役までいただいて、それは念が引き寄せたと思っていまして、(小野さんとの共演も)そういう事なんだなって。
俺の乱丈先生の『pet』に、何も知らないのにキャスティングされやがって!(笑) 最初キャスト表を見た時、“わちゃーーー! (小野さんが)いるよッ! 悟って超重要だよ、頼むぜ”と。でも以前から共演していて、声とかどんな役者かはわかっていたので、そっか、悟ならアリかと(笑)」
小野「ありがとうございます!」
――かなり塩対応ですね(笑)
小野「それが谷山さんです」
谷山「彼は培ってきたキャリアと真面目な所があるので、どんな悟になるのかと楽しみにはなりました」
――谷山さんは小野さん以外の「自分を目標にしてきた」という後輩たちにはどう接していますか?
谷山「僕は基本後輩には優しいですよ、嫌われたくないので(笑)。“紀章さんて見た目怖そうだけど本当はイイ人だよね”と風評を自分で作っています。彼(小野さん)は放っておいても来るので(笑)」
小野「(笑)」

谷山「打たれ強いのであえての塩対応というかツンをやっているところもあるけど、これでデレたら気持ち悪いでしょ。それでも一回だけ、仕事が終わった後に2人で飲みに行く?と珍しくデレてやったことがあるんだけど、“すみません用事があるんで”と断られて! 二度と誘ってやらねぇと思いました(笑)」
小野「(爆笑)すみません、本当にすみません! じくじたる思いとはこのことかと、漢字では書けないけど」
――そんなことがあっても(笑)、小野さんが谷山さんからお仕事で刺激を受けることはたくさんあったのでは?
小野「本当にそうですね。営業妨害かもしれませんが、2人の時はすごく優しいんです。僕なんぞに本当に優しくしてくださる方で」
谷山「どんどん言って」
小野「嬉しかったことはたくさんあります。この作品でも、オーディションのお話をいただいた段階で、“タニ(谷)とヤマ(山)だ!”って気が付いて(笑)」
谷山「そうなのよ! “もう俺だよ”ッて! できすぎだよな! 俺、谷山で良かったって思ったもん」
小野「マネージャーともそれを話していて、いざキャスト表を見たら本当に(谷山さんのキャスティングが)決まってた。谷山さんご自身が作品の大ファンでいらっしゃった事を含めて“引き”だったんだなって。そこに僕も参加できている所も含めて全部が運命だったのかなって」
谷山「ネタみたいな話だよね。乱丈先生がタニとかヤマを使うだけで嬉しくなっちゃう。って、俺すごく変なこと言ってる?(笑)」
――では最後に意気込み、メッセージをお願い致します。

小野「運命めいためぐり逢い、作品自体に引き寄せられているかのような仲間たちと一緒に作品を作れていることに、まず幸せを感じております。この作品がアニメとして皆さんにお届けできるところまでようやくたどり着きました。是非楽しんで頂ければと思います。
原作の持つ力をアニメに落とし込む唯一無二の機会ですので、是非二度三度と見ていただいて、『pet』の世界観により深く沈み込んでいただけたら嬉しいです。
原作の漫画も舞台もあわせて、色々な形で『pet』を引き続き楽しんでいただけたらと思います」
谷山「『pet』は大森監督がおよそ10年、どうしても映像化したかったという強い想いが込められた作品。幸いにも、僕も原作が大好きで、原作愛を持ってやらせていただいております。 監督がこの作品に惚れ込んでいることがすごく大きくて、原作ファンの期待を裏切ることは無いと思っています。
“映像化して魅力が増したね”と言われるような、そういう作品になれると確信しています。原作が読む人の魂を揺さぶるものすごい作品なので、その映像化を期待していただきたい! より多くの方に見ていただきたい! それだけです」
(インタビュー/撮影:谷中理音)